2009/12/14 19:04
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いつの間にかもう師走も半分過ぎてしまいました。
世の中のランキングとはまったく関係なく、
私個人のなかで2009年に
印象に残った本をあげていきます(^_^;)
藤沢周平 『秘太刀 馬の骨』 (文春文庫)
NHKでドラマ化もされた藤沢周平作品の名作。
今年、図書館でみつけて時間を忘れて読んでしまった
最も引き込まれた本だったと思います。
「馬の骨」とはいかにも奇妙な名前だけど、
文庫版の解説によると、秘剣・秘太刀というものは
相手にどこをねらっているかを悟られないために
あえてわかりにくい名前がつけられているとか。
この本は小説本文も面白いけれど、
「えっ」と、もう一度読みたくなってしまう解説も
面白いところです。
北国の藩、筆頭家老暗殺につかわれた幻の剣「馬の骨」。下手人不明のまま六年、闇にうもれた秘太刀探索を下命された半十郎と銀次郎は藩内の剣客ひとりひとりと立合うことになる。やがて秘剣の裏に熾烈な執政をめぐる暗闘がみえてくる。 (Amazon.co.jp より引用 )
主人公・浅沼半十郎は、自分の属する派閥の上司から
江戸からやってきた家老の甥・石橋銀次郎と共に
幻の秘太刀「馬の骨」の探索を命令される。
その方法は銀次郎が秘太刀を受け継いだと思われる
矢野道場の門弟ひとりずつに試合を申し込み、
片っ端から身体をはって検証するというもの。
この銀次郎がなかなかの危険人物で、
美男子で腕は立つがどこかギラギラしていて、
何をしでかすか分からないタイプ。
女性を見るたびに「あれはなかなかの美人だ」と
コメントするところもけっこう笑える(^^)
他流試合禁止の道場の掟を守ろうと
門弟たちが試合を断ろうとすると、
「実は貴公についてこんな話を聞きましてなぁ…」
と、どこから調べたのかそれぞれの過去の“弱み”を
持ち出して、公にされたくなければ試合を受けろと
強引にもっていってしまう(笑)
常識人の半十郎は、銀次郎の暴走を止め、
試合には自分も立ち会うからと相手に信用を与える
マネージャーのような役目をさせられる。
銀次郎に振り回され、いやいやながら役目についていた
半十郎だが、秘太刀の探索が核心に近づくにつれて
秘太刀の謎に惹かれていくようになる。
さらに剣術の話だけでない、
藩の執政に関わる陰謀が自分の役目から見え隠れし、
彼自身も陰謀に巻き込まれていく…という話。
では、なぜこれが2009年を振り返る本なのか?
今年の夏に世間が大騒ぎした「のりP騒動」を
見ながら、なんとなく気になっていたことが
この物語には暗示されているような気がしたからです(笑)
私はのりPファンでも何でもないから
別に擁護するわけではないんだけど、
法を犯して非難されるのはもっともだけど、
「二度と顔を見たくない」といった意見もあって
あまりに過剰に反応しすぎじゃない?と。
そこそこの年齢になると、
人それぞれ、触れられたくないことも
いろいろあるはず。
心にフタをして保たれていた安定が
何かをきっかけに崩れそうになった時、
「何を守ろう」とし「どんな行動をとるか」。
そこにその人の本音が見える瞬間があります。
小説に出てくる門弟たちもそれぞれの秘密を守るために
銀次郎との試合に応じることに。
ところが、不思議なことに
えげつない方法(?!)で受けた
それぞれの試合を終えてみると
なぜか読者もさわやかな気分になれます。
敵役の剣客たちの本音の部分というか、
意外な一面が読者に伝わるからではないでしょうか?
「なぜ世間の人はイヤな感じを受けたのか?」
「そのイヤな感じはどこから出てきたのか?」
「それは人間を一面からしか見ていなかったことが
原因ではなかったのか?」
「のりP騒動」で感じた違和感を振り返ってみるとき、
何かのヒントになりそうな気がしました。
ついでに言うと、
「人は見かけにはよらないよ」ということを
実感するためにも、裁判員になる人にこそ
のりP主演のあのPR映画を見せるべきなのでは?
と個人的には思うんだけどなぁ……(^_^;)
かなり脱線しましたが…(^^ゞ
秘太刀「馬の骨」の謎、藩政をめぐる大きな闇、
過去の出来事から心を病んでいる妻をめぐる
半十郎の家庭の事情など、
いくつかの柱が実に上手く構成され、
一気に引き込まれていきます。
登場人物それぞれに抱えているものがあって、
深い味わいと魅力があります。
時代劇好きな人はもちろん、ミステリー好きな人にも
おすすめの本です。
↓ あらすじをくわしく読みたい方はこちらへ
秘太刀 馬の骨
提供: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
投稿者 : 伊左衛門
Re: 藤沢周平 『秘太刀 馬の骨』 ……2009年を振り返る本 その1
参考になりました。ありがとうございます。
投稿者
胃がん
: 2009/12/15 12:50:58 JST
返信
ありがとうございます!
そう言っていただけるとうれしいかぎりです。
よかったら、またお気軽にお越しください(^^)
そう言っていただけるとうれしいかぎりです。
よかったら、またお気軽にお越しください(^^)
投稿者
伊左衛門
: 2009/12/18 11:24:43 JST
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