2006/10/14 17:02
江雪 柳宗元
千山鳥飛絶
万逕人蹤滅
孤舟蓑笠翁
独釣寒江雪
火曜日の深夜に飲み歩いている。
これで3件目だ。
松本駅前は酔いが回ってきた40才過ぎのおじさんにとっては眩しい。
「とぼとぼ歩くかぁ、裏町まで」
途中、伊織霊水の湧き水を飲んでいこう。
裏町午前0時36分。
屋台村らしき場所が明るい。
静かな裏町。
きれいなドレスを着たお姉ちゃんが、お客を見送る姿がない。
酒臭いおじさんにすれ違わない。
カラオケの騒音もない。
「こんな静かな裏町になったのか」
酔いが醒めそうだ。
懐中時計化しそうな携帯電話がメールを告げた。
「元気?」
裏町のバーのママからだ。
しばらくいってないなぁ。
「ママのメールに釣られてみるか」
きしむ重たいドアを開けてみたら・・・
老けた金魚がいた
投稿者 : niv
2006/10/06 10:34
静夜思 李白
牀前看(明)月光
疑是地上霜
挙頭望山月
低頭思故郷
静かな秋の夜、松本の中心で大きな深呼吸をした。虫の音がからだの中に入ってきた感覚、胸に手を当てた。一年前の秋は気持ちが沈んでいた。
深夜、明かりを消した部屋で「何もかもがいやになった」とつぶやいた。ベッドの上に白い月明かり差し込んでいる。冷たい明るさの光は自問しても答えの出ない今までの生活から抜け出す標に見えた。
窓に近づいていて外を見た。月明かりに照らされた松本城はぼやけて小さい。実家のある美ヶ原に月が浮いている。
「帰ろうかなぁ」
涙が落ちないよう顔を上げたら、幼いころ分校で逆上がりの練習を何回もしてもできなかったことを思い出した。泣き崩れていた。
今、胸に当てた手をそっと前に出し歩き出した。松本城は月明かりにぼやけて小さいままだ。
投稿者 : niv
