スギ花粉症緩和米(1)(→リンク)の続きです
スギ花粉症緩和米を実らせる稲は、申請書類上では
「スギ花粉ペプチド含有イネ(7Crp, Oryza sativa L.)」と呼ばれているようです。
この「お米」は、医薬品扱いになる予定ですが、どんなふうに市場に出て、患者さんの食卓にのぼるのでしょう?
学術的な解説を読みたくない人は7行ほど飛ばしてください。
7Crp, Oryza sativa L.の意味は、自分の知識の範囲内で解釈すると、
「7つのスギ花粉(Cr)ペプチド(p)を発現するアジアイネ」ではないかと思います。
遺伝子組換え技術で製造したT細胞エピトープに対応したペプチドを用いて免疫療法(減感作療法)を行う場合に、スギ花粉抽出エキスで免疫療法を行う場合よりも優れている点は何でしょう?
それは、後者のスギ花粉抽出エキスではIgE抗体に反応する抗原を含むので、いきなり大量の抗原を投与するとアナフィラキシーや花粉症の症状がおきる恐れがあるが、前者のペプチドではその心配がないということです。
さて、医薬品扱いになるだろうこの「お米」は、実用化される6~7年後には、医師がスギ花粉症の診断をまず行い、医師が処方箋か指示箋を書いて、医療機関内の薬局または市中の調剤薬局にて「お米」を受け取るということになるばずです。
家族にスギ花粉症ではない人がいる場合に、炊飯器が一つしかないと、病気でもない人が割高なこの米を食べてしまうことになるかもしれません。いろんな意味でよろしくないですね。
筆者が想像する範囲では、「レトルトご飯」で実用化が有力候補です。
蓋をすこしめくって電子レンジで数分あたためる例のパックです。
医師から処方を受けて、薬局で渡され、自宅でチンして食べることになるかもしれません。
当初の研究デザインは一日1合(米150g)食べることを想定しているので、14日分というと1升4合(2.1kg)の米です、レトルトにすると重量は倍以上になります。
長野県など地方では病院への通院は自家用車が多いのですが、都会のビジネスマンの場合、5kg弱の重さの“薬”を2週間ごとに通勤電車に持ち込んで家まで運ぶのはちょっとしんどいかもしれません。「お米」の状態で運ぶとすると重量は半分ですが、前述のように一人分だけ炊飯する手間がかかります。
…「調理の手軽さ」をとるか「運搬時の軽さ」をとるか?
なお、この「米」は医薬品なので、一般の飲食店でこの米をメニューに出すことはできません。
病院の給食に使用するのは、スギ花粉症の治療目的に限り可能だろうと思います。
家庭での残りご飯も含めて、どんな場所にあっても、一度袋や容器から出して茶碗によそったり、ラップに包んで冷凍したりすると、ふつうのご飯との区別がつかなくなっていまいます。
ふつうの米・飯と見分けがつかない外見をした「薬」って… 取り扱いにかなりの慎重さを要求されますね。
お米が主食の日本ですが、医師が処方をして…自宅へ運んで、調理して…と、手のこんだことするなら、別の手法で同じメカニズムを利用した方がすっきりしているのでは? と思ったりします。
この続きは…スギ花粉症緩和米(3)で。
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