2018/06/21 20:49

今回は普段みることのできない上高地の風景から。明神地区よりみた六百山です。手前に見えるのは明神三の池の跡とされるもの。現在の明神池は一の池、二の池の2つですが、江戸時代に書かれた「善光寺道名所図会」には明神岳直下に三靈湖が存在したと紹介されています。
この記事の冒頭で「普段みることのできない」と記述したのには訳があります。ここは梓川の右岸にある治山林道。この道は明神や徳沢、横尾方面への物資運搬のために開かれている道で、通常は歩行者の立ち入りが制限されています。
梓川右岸には治山林道と別に右岸道がありますが、その一部区間(上図参照)が現在工事のために通行止めとなっています。その迂回路として普段は歩くことができない治山林道が開放され、はじめの写真のような光景が自由にみられる...という具合なのです。工事は7月18日までの予定と看板に表示されていました。
もう一度、明神三の池跡の様子をどうぞ。現在の池は梓川に流れ込む支流となっていますが、二の池に見られるような浮島や立ち枯れの木から往時の姿が偲ばれます。自然の生み出す景勝地として日々変わりゆく上高地。一度来たことのある人も、はじめて行くという人も、是非その時の光景を目に焼き付けておきたいものです。

2018/06/14 20:46

6月6日に梅雨入りが発表された関東甲信越地域。上高地線の走る松本もこの日は夕方から雨でした。夕立のなか、田植えの終わった田んぼの横を新島々ゆきの電車が走ります。車内には家路を急ぐ人々が。
雨が降り出した頃の奈良井川鉄橋。川原に無造作に生えたニセアカシアの枝を風が揺すります。空は厚い雲が広がっていましたが、遥か彼方、北アルプスの峰々が残光の中にうっすらと浮かび上がっていました。
ここでちょっとした資料のコーナー。まだJRが国鉄と呼ばれていた頃の松本駅のスタンプです。松本城と共に描かれるのは美ヶ原、そして北アルプス。DISCOVERJAPANの文字があるところから、これは1970年代のものと推測できます。この頃は松本=岳都のイメージが強かったのでしょう。

翻って現在は、三ガク都として楽都、学都、岳都のイメージを打ち出している松本。前二者は市街地に施設があり、イベントもあるのですが、そのせいか元々の岳都の印象が後退してしまっているような少気もいたします。

2018/06/11 11:30

この日は森口駅からスタート。上高地線では唯一相対式ホームのあるこの駅で、まずは1日2回しかない上下線の列車の交換を撮影しました。この日はリバイバルカラー列車と松本山雅FCのヘッドマークをつけた3001-3002編成が走っていました。

正午に近い時間だったので、駅から北に800mほど行ったところにある「NAMASTE」さんを訪ねました。今年の春できたばかりの南インド料理のお店です。芋のスープやひよこ豆のコロッケなど10種類以上の副菜と共に食べるカリーをいただきます。味はもちろん、見た目もカラフルで食欲をそそります。

店内には畦地梅太郎の作品や山の本がありました。ご主人にお話を伺うと、上高地の山小屋に勤務された経験があり、山がお好きなのだそうです。岳都松本や、山ゆき電車として親しまれてきた上高地線ですが、その沿線には山の好きな方によるお店や場所が今までなかった(過去にはあったがいつの間にかなくなってしまった)ように感じていました。そんな中で、このようなお店ができたことを内心嬉しく思う筆者でした。

2018/06/09 7:38

今回は上高地線イメージキャラクター「渕東なぎさ」さんの話題を幾つかご紹介します。まずは、ラッピング電車の「なぎさTRAIN」ここ暫くの間全国"鉄道むすめ"巡りのヘッドマークを掲出していた同車ですが、企画の終了を受けて専用のヘッドマーク姿に戻りました。なぎさTRAIN専用のヘッドマークは他のものとは異なり、上部が山のシルエットとなった非常に凝ったものです。

続いてグッズの話題。前述の通り、全国"鉄道むすめ"巡りは5月末を持って終了しましたが、オリジナルのスタンプは引き続き新島々駅で押すことができます。

また、このスタンプの絵柄と同じマグネットのプレゼント企画も開催中。新村・波田・新島々駅の窓口で、1500円以上のグッズ購入の方にのみのプレゼントです。勿論、なくなり次第終了。筆者はクリアファイルと共に頂戴しました。

驚いたのは「品切れ」「売り切れ」のグッズが幾つもあったこと。全国的に展開する企画の力の大きさたるや!想像以上です。

更にもう一点:山から下りて来たら新島々駅に写真のパネルが設置されていました。山ガール姿の渕東なぎささんです。パネルにはキャラクターボイスを担当する新田恵海さんのサインが書かれていました。改札内にあるので、松本から山へお出かけの際はご注目ください。

2018/06/07 9:39

関東甲信越地方の梅雨入りが発表されたこの日。上高地線が走る松本は朝から降ったり止んだりの不安定な天候でした。それでも15時近くになると一旦雨が上がりましたので、ちょっと沿線へ。
大庭と下新の間の田園地帯へ。北の山々は厚い雲の中でしたが、その中で唯一乗鞍岳が雲間から顔を覗かせていました。小麦が色づきはじめた雨上がりの沿線を電車は走ります。
6/6付の市民タイムス紙によれば西部地域の小麦生産は上高地線よりも南側の笹部・神林などが主要地で今年は650万haの畑に作付けされているそうです。さきほどの列車が折り返し新島々ゆきとしてやってきました。リバイバルカラー列車は昨年6月3日の登場。もう一年経ちました。

2018/06/04 21:37

6月.山々の緑がすっかり濃くなった初夏の上高地です。4月に来た時はまだ真っ白だった穂高連峰も随分と雪が溶けて谷間に残るばかり。まずは梓川の岸に立って河童橋をいれた定番中の定番の構図で一枚。バスを下りて5分足らずでこれだけの風景が見られるのは上高地線のひとつの魅力でしょう。
まだ時刻は10時前でしたが、橋の周りには沢山の観光客がいました。夏には上高地銀座と称されるほどの賑わいを見せるここなので、この程度の人出はまだ序の口といったところでしょうか。そしてこの日も聞こえてくるのは異国の言葉ばかり。
こちらは上高地バスターミナルの様子。アルピコ交通のバスのほか、国内各地からのツアーバスがずらり。『釜トンネル 上高地の昭和・平成史』によると、上高地を訪れる人の3分の1弱がこうした観光バス利用とのこと。滞在時間は2〜3時間ですので、河童橋周辺か大正池周辺を歩いて帰る方が多いようです。

○上高地・乗鞍高原への電車・バス時刻表はこちらから

2018/05/30 23:12

こちらはバスターミナルから徒歩25分ほどのところ、穂高橋よりみた穂高連峰の様子です。筆者が今年はじめて上高地入りした4月の下旬に比べると随分雪が溶け、前景となる河畔の木々は燃え立つような黄緑色となっていました。
この日は西陽が射しはじめてからの上高地入りとなりましたが、電車には同じく上高地へ向かうお客様が20名ほどいらっしゃいました。割合としての一番多いのはやはり外国からのお客様です。国はバラバラ。
このように、電車とバスを利用して上高地入りするお客様に配慮してか、新島々駅で配布されている時刻表も、日本語、英語、中国語、アラビア語のものがそれぞれ用意されていました。
ところで、バスターミナルに掲示されている路線案内図が新しいものに交換されていました。イラストは松本在住の漫画家・エッセイリストの鈴木ともこさんです。

2018/05/28 13:06

この日は山と電車を色々とみて歩きました。まずは定番中の定番奈良井川の土手へ(渚-信濃荒井)ここからは鍋冠山、常念岳、横通岳など多くの山々がみることができます。まだ朝早い時間帯で側面に日が回らないことが予想されたので、あえて上流側に立ってみました。
こちらも定番中の定番である大庭と下新の間の田園地帯。電車のバックに控える山々は先ほど奈良井川土手でみたものとほぼ同じですが、印象が少し違いませんか? みる場所によって印象が大きく変わるのは山と電車を撮る上でのひとつの楽しみです。
続いて乗鞍岳。上高地線の電車や松本駅からはよく見える乗鞍岳ですが電車と一緒に捉えるとなると場所が限られて参ります。筆者のお気に入りは下新駅より少し西側にいったここ。ここから北新・松本大学前までの間は色々な山と電車の取り合わせが楽しめます。

ここで寄り道。下新駅から徒歩3分のところにあるレストラン上高地で昼食です。名前の通り上高地へ向かう国道158号線沿いにあります。上高地線沿線はコンビニやカフェなどは複数ありますが、定食の食べられるお店は余り数がなく貴重な存在です。写真はスタミナ定食。味、量、価格、スピードともに満足。詳しくは伺わなかったのですが、お店の方のキャリアの長さを感じました。

2018/05/24 8:36

大庭駅のホームに写真のような大きな看板が取り付けられていました。アルピコ交通の運行する高速バス(新宿・名古屋・京都・大阪方面)の宣伝です。大庭駅は松本インター前のりばから徒歩9分(約720m)の位置にあります。上高地や波田方面から高速バスに乗り継ぐ場合は、松本バスターミナルまでわざわざ足を運ぶまでもなくここから歩いても良いのです。
駅の入り口にも新しい看板が取り付けられていました。こちらは「大庭駅」と表記してあり、デザインはホーム上の駅名表を踏襲しています。ちなみに裏面は「高速バス→」と案内表示となっています。
大庭駅には昨年12月、松本市の次世代交通政策の一環でパークアンドライド駐車場が整備されました。利用料金は入庫後24時間まで200円です。当初は多い日でも1日6台という利用状況でしたが、近頃は通りかがると常に10台以上の利用が見られます。しかし駐車場全体が50台分のスペースを確保していることを思うとまだまだ低い水準に留まっています。同じくP&R駐車場がある新村や平田に比べ、主要幹線道から入って来にくい位置にあることと、大庭駅自体の知名度がまだまだ低いことが主な理由でしょう。

中心市街地の時間貸駐車場が概ね2時間600円であることを踏まえると、2時間以上滞在する場合はP&Rの方が安く上がります。(駐車料金200円+松本-大庭往復340円)ただ、公共交通機関を利用して街に来る人を増やすには、例えば中心市街地のお店で買い物をした際に、かえりのきっぷや利用補助券を出すなど、行政以外の取り組みも必要になってくるでしょう。

2018/05/21 7:15

この日は上高地ビジターセンターを訪ねました。中部山岳国立公園を所管する環境省の施設であり入館は無料。シーズン中の朝8時から夕方5時まで空いています。場所は河童橋と小梨平のあいだ。周囲の風景と調和したシックな雰囲気の建物です。
この施設では"上高地の自然への理解と自然に親しむために必要な情報"(公式サイトより)を得ることができます。写真は展示室の様子。山の写真家田淵行男先生の作品などをみることができました。このほかにも映像をみたり、園内の植物や動物について調べることのできるコーナーもあります。
こちらに立ち寄った際に手に入れて欲しいのが『国立公園ガイドブック 上高地・中部山岳国立公園』です。公園を管理する一般財団法人自然公園財団が発行しているもので、一般書店では流通していません。こちらには上高地のコースガイド、エリアガイド、動植物の紹介から、アクセス方法、歴史まで掲載されています。ただ漫然と歩いても良い上高地ですが、それをより深く知り、楽しめる一冊です。頒布価格500円。

《梓川左岸道の一部崩落と明神地区トイレ使用停止について》


河童橋から小梨平を経て明神地区へ至る梓川左岸道ですが、4月下旬より明神地区寄りの一部が崩落し、迂回路を経由する形となっています。

この影響により、明神地区(左岸)へは現在、車両の乗り入れができません。またバキュームカーも入ることができず公衆トイレの使用が停止となっています。

明神地区内には穂高神社奥宮境内に御不浄がありますが、規模も小さいため混雑が予想されます。お出掛けの際はお気をつけください。

2018/05/19 20:51

この日は早起きをして穂高神社奥宮の明神池に足を運びました。穂高神社奥宮は安曇族の祖神であり、陸・海の交通と日本アルプスの総鎮守である穂高見命(ほたかみのみこと)を祀る神社です。写真は明神池の一ノ池の様子です。二艘の船は10月8日の神事の際に使われます。
明神池は朝靄が出ることで知られていますが、見られるかどうかは運次第。(前日に雨が降るなどして比較的湿度の高い晴れた朝に出ることが多いようです。)果たしてこの日は運良く靄に遭遇することができました。
こちらはニノ池の様子。背後の岩山は明神岳です。もともとこの明神池は明神岳の崩落により川がせき止められてできたものと考えられています。その時のものなのでしょうか、池の中には自然石が点々としその上に木々が枝を伸ばす不思議な光景が広がっています。
『上高地物語』(横山篤実 著)などを読むと、穂高神社奥宮がいつからここにあるのかは定かではないようです。想像するに、はじめてここに足を踏み入れた古代の人々は、この光景に神的なものを見出し、自分たちの神様を祀る場として相応しい場所と考えたのでしょう。近代以前の資料に、神河内、神合地、神降地の表記が見られるのもそれ故のことと考えられます。(ちなみに明神池の拝観の栞には「神降地」と表記されていました。)

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2018/05/16 0:02

上高地線の大庭と下新の間の沿線でも,田んぼに水が入っていました。先日出かけた渕東や新村付近よりもここは少し遅いようです。風が少し出ていたので水鏡は断念しましたが、北アルプスの山々をバックに走る電車をまずは一枚。
上の写真のすぐ松本寄りにも水を張った田んぼがありました。折り返しの新島々行きを待って一枚。こちらの背後に見えるのは旧小県郡との境にある三才山です。ひときわ背の高いNTTの西松本交換所の鉄塔が平凡な風景のよいアクセントになっています。
更に待って次の松本ゆき電車も撮影。ここに撮影に来ると通りがかりの方によく話しかけられるのですが、この日の第一声は「今日は乗鞍が真っ白だね」でした。この写真の一番奥、一面白色に輝くその山が乗鞍岳です。やってきたのはなぎさTRAIN。「全国”鉄道むすめ”めぐり」のヘッドマークをつけています。同企画は今月末まで。この姿もまもなく見納めです。
(歩いた日:平成30年5月11日)

2018/05/13 7:30

案内人が沿線の風景や見どころをご案内する上高地線 観光案内電車。今年度の運行が4月26日よりスタートしました。観光案内は土休日を中心に松本発 10:10 11:28 13:28 発の新島々ゆき電車にて実施。特定日にはバイオリンの演奏もお楽しみいただけます。乗車券のみでご乗車いただけますので、上高地線や上高地へお出かけの際は是非ご利用ください。

観光案内電車でのバイオリン演奏は、昨年よりはじまったものです。筆者はなかなかタイミングが合わず、今年はじめて乗車することができました。

写真は演奏をする牛山孝介先生です。誰もが一度は耳にしたことのあるクラシックの名曲やポピュラーを車内の我々の元に届けてくださいます。移りゆく上高地線の車窓と共に楽しめば、片道30分の小さな旅がより素敵なものになること間違いなしです。

詳しくはアルピコ交通公式サイトをご覧ください。

新島々に到着すると山に向かうお客様と入れ替わりに松本へ向かうお客様が多数乗り込んできました。上高地はこれからが本格的な新緑の季節。どうぞ上高地線の観光案内電車に乗ってお出かけください。
(乗車した日:平成30年5月12日)

2018/05/12 7:34

上高地線沿線は新緑の季節。この日は雨が上がるのを見計らって、波田駅から歩いてみました。駅から渕東方面へ200mほどのところにある第4種踏切のそばで待っていると、リバイバルカラー列車がやってきました。坂の少し上からは小水力発電のために設けられた水車のバタンバタンという音が聞こえてきます。

線路沿いの小径にはツツジが植えられています。旧波田町の花。現在も波田地区のまちのあちこちで見ることができます。写真の左手崖下には中学校があるのですが、部活動でしょうかスポーツをする生徒のたち声が聞こえてきました。

波田堰に沿って歩いてみます。取水口は赤松地区にあり、総延長は23km、灌漑面積は300haに及びます。現代の波田地区は下原すいかに代表される農業のまちですが、それは明治7年に通水したこの堰の存在が大きく関わっているそうです。こうして水辺をただ歩くだけでも良いのですが、案内板の類があっても良いのかな、と筆者はここを歩くたびに思います。

渕東側に出ると線路の両脇に田んぼが広がっています。先ほどの波田堰はカメラをもう少し左手に振った一段高い所を通っているので、この田んぼもその水によって満たされているのでしょう。筆者のように現代に生きる者がこうして水鏡のある美しい風景を写真に収めることができるのも、こうした先人の存在があってのことです。


(歩いた日:平成30年5月9日)

2018/05/10 14:04

平成29年度の上高地線の述べ乗客数は168万人9587人でした。その前の平成28年度の168万8308人と比較すると0.1%の微増です。ここ10年のうちで一番小さな増減ですが、信州DCが天候不順により不調であったことを思うと健闘しました。
今回のトピックは過去微増、または減少傾向にあった定期外利用が大きく伸びていることです。具体的な数字を上げると60万2387人で平成28年度の58万664人から2万1723人の増加です。一方、定期利用(通勤・通学)が108万7200人で、平成28年度の110万7644人より2万444人減少していることは気掛かりです。この理由について詳しく数字をみてみることにしました。

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