2019/09/15 6:46

9月に入った上高地線沿線。日中は30℃を超える暑い日が続いていますが、秋を感じさせる風物に出会うことはできるのでしょうか。まずは新村から三溝にかけての沿線を歩きます。初夏には一面小麦畑だったここは、そばの白い花が咲くようになりました。
この新村から三溝にかけての上高地線は、東から西へ線路がゆるいS字を描きながら走っています。撮影の際は時間帯や場所を変えて様々な構図を楽しむことも可能です。作例は朝8時台の上り列車を写したもの。そばに対して、稲は既に刈り取りされた箇所が散見されます。
筆者のおすすめは午後、特に正午から14時にかけての時間です。この時間帯は下りが順光となります。やってきたのは松本山雅のヘッドマークをつけた3001-3002編成でした。(歩いた日:2019年9月14日)

2019/08/26 17:35

今回は終点新島々駅のひとつ手前、渕東駅付近の様子から。松本の市街地から走ること30分足らずのここは線路の両脇に田んぼが広がっています。8月下旬のこの日は最高気温も30度に満たない過ごしやすい日。背後の林から聞こえるヒグラシの声を聞きながら電車を待ちます。
1枚目のカットから引きでもう一枚。田んぼはこの画面の両脇にも延々と広がっています。線路の向こう側に緩やかに稜線を伸ばすのは金松寺山。緑の多いこの風景もあと一月ほどで、黄色や橙がかった色彩へと変化してゆきます。
駅に戻って次の松本ゆき電車を待ちます。ホーム上には地域の方が管理する花壇があり、ひまわりとコスモスが一緒に咲いていました。去りゆく夏と、来たる秋の共演です。

2019/08/05 20:36

なかなか空けなかった梅雨も漸く明けて(※今年の関東甲信越の梅雨明けは7月29日でした)上高地は本格的な夏を迎えています。まずは定番河童橋周辺の様子から。平日にも関わらず"上高地銀座"の異名を欲しいままにしています。ただ、昨年訪れた時に比べ外国からのお客様は少ないという印象を受けました。
梓川の左岸に沿って五分ほど歩くと小梨平です。川岸に佇むと先ほどまでの喧騒は遠ざかり、耳には川の音、目には夏の装いの山々が飛び込んできます。写真の焼岳は、8月に空振を伴う小規模な地震を繰り返しており少々そのご機嫌が気になるところ。
この小梨平は上高地に3つある幕営地のひとつです。近年のキャンプブームも手伝って、場内には色とりどりのテントが所狭しと張られています。もう都会は夏休みなのでしょう、若者や家族連れなどで賑わう様を見ることができました。

2019/07/20 20:09

引き続き梅雨空の上高地線沿線から。この日もまた空一面には厚い雲。その真下に青々とした北アルプスの山々をみることができました。まずは西松本駅そば、田川を渡る上り電車を捉えました。
続いて渚駅。駅ホームの西側で電車を待っているとなぎさTRAINがやって来ました。撮影した列車にそのまま乗り込むと、どうも暑い...運転士さんによれば、エアコンの調子がどうもよくないそうです。上高地線で活躍する3000形電車も一番古いものでは1966年(昭和41年)の製造。そろそろ代替車の話も具体化する時期でしょうか。
車内には登山用品を扱う各ブランドと山と溪谷社による安全登山のキャンペーン広告が掲出されていました。車内の液晶ビジョンでも各社のイメージ映像が流れる徹底ぶり。車窓に見える山々に加え、こうした車内のちょっとしたことからも「上高地線=山行き電車」のイメージが再構築されていくと良いと思う筆者でした。

2019/07/01 18:25

この日の松本は朝から曇り空。眺望は望むべくもない(場合によっては沿線に出て撮影もすまい)と思いながら松本まで来てみると、雲の隙間から西山が顔を覗かせているではありませんか。早速電車に乗って出掛けます。まずは下新-北新・松本大学前の間にある大カーブで撮影。
線路の北側に出て、東山をバックに下り列車を捉える定番の構図を。初夏を迎えてからというもの、線路際の植物がやけに繁茂しつつあり、暫くの間この場所で列車をすっきり写すことは難しそうです。
下新駅から松本ゆき電車に乗り込み大庭駅へ。信濃荒井駅との間にある直線区間で東山をバックに走る下り列車を撮影します。列車の通過を待っていると雨がポツリポツリ。
後追いでもう一枚。キュウリやトウモロコシ、ナスなど線路側の畑では夏の野菜が実をつけていました。雨続きでつい憂鬱になりがちですが、本格的な夏はすぐそこまで来ているようです。

2019/06/24 17:53

この日は渚駅からスタート。松本8:19 発下り7列車は学生さん達で混み合っていました。梅雨時のパッとしない天候もあってか、山へ向かうらしいお客様の姿は少なめ。
20分ほどで下島駅へ。ここは長野県梓川高等学校最寄り駅です。私服姿の高校生に混じって電車を降ります。他県の方にはよく驚かれるのですが、県内の公立高校では私服登校が一般的です。
徒歩で三溝駅へ。駅西の線路側には地元波田地区の個人やグループの手による波田フラワーロードがあります。今年もマリーゴールドやペチュニア、サルビアなど色とりどりの花が帯状に咲いていました。新島々から戻ってきた松本ゆき電車と共に一枚。

2019/06/14 21:50

関東甲信越も梅雨入りし天気を気にしながらの沿線さんぽです。雨上がりの朝、向かったのは新村と三溝の間に広がる田園地帯です。今年は線路の両脇に小麦畑が広がっていました。時刻は午前8時過ぎ。通勤・通学のお客様を乗せた松本ゆき電車が通り過ぎます。
新村駅の東側もまた小麦畑。どこかしらから郭公の鳴く声が聞こえる中をやって来たのは新島々ゆきのなぎさTRAIN。空にはこの時期らしく薄い雲がかかっていました。この日はこれにて撤収。
日を改めて...朝からよく晴れたこの日再び新村駅の西側へ。電車の向こうの青々とした松林は専称寺のもの。その奥には北アルプス北部の山々が控えます。小麦の収穫は例年7月上旬。あと何回、この組み合わせをみることができるでしょうか。

2019/06/07 11:27

この日は上高地線の終点新島々から少し足を伸ばして、竜島地区を訪ねました。発電所前でバスを降り、梓川の右岸を歩いてゆきます。木々の木立の向こうに見えてきたのは東京発電の竜島第二発電所。もとは京浜電力竜島発電所として大正12年に運転を開始したもので、現在も最主に首都圏向けの電力を供給しています。
竜島第二発電所から5分ほど歩いたところに日帰りの入浴施設「竜島温泉せせらぎの湯」があります。竜島温泉は1997年に湧出したもので、旧波田町時代の2000年に施設がオープン、合併後は松本市が運営しています。泉質はアルカリ性単純温泉。湯温は40℃ほどと低めで、長湯をするのに良いでしょう。

施設内には食堂もあり、地元波田産の食材を使ったメニューが提供されています。竜島温泉せせらぎの湯の入館料は大人510円・開館時間は10:00-22:00、定休日は月曜日です。

入浴・食事の後施設の裏側へ出てみました。梓川の対岸は旧安曇村島々地区。近代以前は、上河内(上高地)で木を伐る杣たちの拠点となったほか、野麦街道の宿駅として栄え、近代以後は背後の島々〜徳本峠を経て上高地に入る登山者を迎えてきました。
再びバスに乗って新島々まで戻ってきました。駅前には復元された旧島々駅舎があります。上高地線の前身筑摩鉄道島々線は竜島までの建設が計画されていました。技術上の問題から延伸は叶いませんでしたが、仮に竜島地区まで達していた場合、この駅舎も島々谷を背に建てられていたかもしれません。

2019/05/31 14:10

5月31日を以て新島々駅・波田駅・下新駅での硬券乗車券の発行が終了しました。上高地線の硬券乗車券については2018年末を以て、線内各駅から松本行きのきっぷの発行が終了(軟券に切り替え)していますが、今回の発行終了に伴い更に取り扱いが縮小することになりました。

特筆されるのは、新島々駅・波田駅で発行されていた「東京都区内ゆき」のA型硬券の発行終了です。上高地線からJR線への連絡運輸自体は継続しますが、このタイプの硬券乗車券は姿を消すこととなりました。画像の二枚は筆者が実使用したものですが、出場の際に係の方に珍しがられたものです。

2019/05/28 20:56

水鏡の沿線を訪ねる春の沿線さんぽ。続いては上高地線の終点一つ手前、渕東駅周辺でカメラを片手に歩きます。まずは駅のすぐ横から撮影した上り松本ゆきのなぎさTRAIN。ヘッドマークは現在開催中の『全国”鉄道むすめ”めぐり』のものです。
続いて線路の南側。波田神社・仁王門へと続く山際から俯瞰気味に。こちらの駅周辺のもまた、水が張られたばかり田んぼ、田植えを終えたばかりの田んぼが多く見られました。金松寺山をバックに走る上高地線電車です。
田んぼがあると撮りたくなるのが水鏡。松本方面へ向かう電車を後追いで。

最後は渕東地区を俯瞰する山の斜面から。脇には江戸時代に開削された波田堰が流れています。やってきた新島々ゆきの電車はモハ10形リバイバルカラー。水の入り始めた田んぼに車体がちらりと映り込みます。春から初夏へと向かう5月の上高地線沿線さんぽでした。

2019/05/21 12:49

この日の上高地線沿線は至るところで水の張られた田んぼ、既に田植えを終えた田んぼが見られました。1枚目は北新・松本大学前駅からほど近い線路の南側からみた風景です。この時期の電車は冬の間につい鉄錆をすっかり落とした綺麗な姿で水鏡にもよく映えます。
同じ場所からは北アルプスの山々を望むこともできます。今シーズンの北アルプスは冠雪が遅く筆者をやきもきさせましたが4月に降った雪が根雪となって麓から見る者の目をいま暫く楽しませてくれそうです。
残雪の北アルプスといえば乗鞍岳のことも忘れてはなりません。北新・松本大学前と下新駅のほぼ中間地点に当たるこの場所からは電車と共に写真に収めることができます。
当通信ではお馴染みとなった下新-大庭間のポイントの写真も紹介します。こちらは午前9時台に撮影したもの。田植えを終えたばかりの田んぼに残雪の北アルプスが映り込みます。

2019/05/19 20:30

上高地線を運行するアルピコ交通が2019年3月「全国登山鉄道‰会」に加入しました。同会は2009年に発足したもので、南海電気鉄道・箱根登山鉄道・叡山電鉄・神戸電鉄・大井川鐵道・富士急行が参加し、会社合同のイベントやPR活動を展開しています。
現在、モハ10形リバイバルカラー列車には、同会の加入を記念したヘッドマークが取り付けられています。なお、‰(パーミル)とは勾配を示す単位のひとつです。例えば50‰の勾配は、1000m進んで垂直方向に50m上昇(下降)する勾配を指します。国内では箱根登山鉄道の80‰・アプト式の大井川鉄道井川線の90‰が知られています。
なお上高地線内で最も急な勾配は21.4‰です。発足時から参加している6社の中では一番平坦ですが、その一方で現在も上高地をはじめとする北アルプス各地を訪れる登山者や観光客に多く利用されています。歴史的にみても、前身の筑摩鐵道が上高地の観光開発を目的に設立されており、山とは切っても切れない関係です。故に、険しい山岳地帯を走らずとも「登山鉄道」と名乗ることに何ら遜色はないでしょう。今回の加入を機会に「山行き電車、上高地線」がより広く認知されていくと良いですね。

2019/05/16 17:21

この日は河童橋から梓川沿いを6km余り遡った徳沢を訪ねました。ここから下流の明神地区までは奥上高地とも呼ぼれ、上高地銀座と呼ばれる河童橋周辺とはまた対照的な雰囲気を持つエリアでもあります。1枚目は幕営地(キャンプ場)からみた六百山です。なお、この一帯は昭和9年まで牧場として使われていたこともあり、牛に追い立てられた登山者や文化人もいたようです。
徳沢を語る上で外せないのが井上靖の小説『氷壁』です。1955年に発生したナイロンザイル事件を下敷きにした同作は、映画化もされ戦後の登山ブームのひとつのきっかけともなりました。同作に登場する「徳沢園」は、当時の建物のまま、現在は「氷壁の宿 徳沢園」として営業を続けています。建物内の食堂には、井上靖の原稿や、映画「氷壁」の小道具やポスターが飾られていました。
再び幕営地に出て前穂高岳を眺めます。1955年1月2日、この東壁で登攀中であった登山家が滑落・死亡しました。原因はこの時使用していたナイロンザイルの切断によるものでしたが、当時メーカーや研究者、日本山岳会はそれを認めませんでした。登山者の命に関わる事態に、遺族などが中心になって運動を展開しますが、実際に対策が講じられるようになったのは1970年代後半のことでした。
何も知らなければ「キレイ!」「素晴らしい!」で終わってしまう自然の山々ですが、人との関わりの中で起きた事件やその後の展開、そこから生まれた物語、などを知った上で視界に入れてみるとまた違った景色が見えてくるのではないでしょうか。

2019/05/13 10:48

5月1日の新天皇陛下御即位に伴い、元号が「令和」と改められました。アルピコ交通上高地線ではこれを記念してヘッドマークを掲出しました。ヘッドマークは「令和 れいわ」を大きく表記したもので、青基調のものと紫を基調としたものの4種類が準備されました。
掲出が始まった5月1日から6日にかけては10連休の真っ只中でしたので、沿線にはこれを撮影しようと多くの愛好家の方がいらしたそうです。また当初は6日までであった掲出期間も、問い合わせが相次いだことから12日まで延長されました。
また改元に合わせて、2種類のきっぷ(入場券セットと上田電鉄とのコラボきっぷ)も販売されました。こちらは10日を待たずして完売となりました。このきっぷの販売、ヘッドマークの掲出はそれぞれテレビ・新聞などでも取り上げられました。

先の「平成」は、人口減少・少子化・規制緩和、と地方鉄道にとっては先が見えない苦しい時代でした。そこから「令和」へと踏み出すこのタイミングに、改元を印象付けることに一役買った上高地線の姿をみると、単なる移動手段としてだけではない「メディア」としての鉄道の役割をみたような気がします。

2019/05/10 19:22

私事ですが、今年も上高地で月の半分以上を過ごすこととなりました。まずは河童橋越しにみた焼岳。この日は前代未聞の10連休終了直後で至って静か。混雑を避けての上高地探勝には、この5月下旬から6月の頭がおすすめ。川岸の化粧柳も落葉松もこれから芽吹きを迎えます。
定番中の定番、河童橋の上より梓川と穂高連峰を眺めた様子も。山の高い部分ではこの日の朝にも雪が降り白く雪化粧しています。今年は昨年と比べ残雪が多く、右岸道の河童橋〜明神地区にかけては5月2日まで「通行困難」と案内されていました。
そんな上高地へのアクセスを一手に担っているのが、アルピコ交通です。上高地線新島々駅からのバスはもとより、都市圏からの直行便「さわやか信州号」やマイカー乗り換え拠点のさわんど地区からのシャトルバスがこの上高地バスターミナルにて発着します。なお、上高地→松本方面については、今シーズンより全てのバスが新島々止まり、電車乗り換えとなりました。

松本-(上高地線電車)-新島々-(バス)-上高地のご案内はこちらから

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