2018/06/04 21:37

6月.山々の緑がすっかり濃くなった初夏の上高地です。4月に来た時はまだ真っ白だった穂高連峰も随分と雪が溶けて谷間に残るばかり。まずは梓川の岸に立って河童橋をいれた定番中の定番の構図で一枚。バスを下りて5分足らずでこれだけの風景が見られるのは上高地線のひとつの魅力でしょう。
まだ時刻は10時前でしたが、橋の周りには沢山の観光客がいました。夏には上高地銀座と称されるほどの賑わいを見せるここなので、この程度の人出はまだ序の口といったところでしょうか。そしてこの日も聞こえてくるのは異国の言葉。
こちらは上高地バスターミナルの様子。アルピコ交通のバスのほか、国内各地からのツアーバスがずらり。『釜トンネル 上高地の昭和・平成史』によると、上高地を訪れる人の3分の1弱がこうした観光バス利用とのこと。滞在時間は2〜3時間ですので、河童橋周辺か大正池周辺を歩いて帰るのでしょう。

○上高地・乗鞍高原への電車・バス時刻表はこちらから

2018/05/30 23:12

こちらはバスターミナルから徒歩25分ほどのところ、穂高橋よりみた穂高連峰の様子です。筆者が今年はじめて上高地入りした4月の下旬に比べると随分雪が溶け、前景となる河畔の木々は燃え立つような黄緑色となっていました。
この日は西陽が射しはじめてからの上高地入りとなりましたが、電車には同じく上高地へ向かうお客様が20名ほどいらっしゃいました。割合としての一番多いのはやはり外国からのお客様です。国はバラバラ。
このように、電車とバスを利用して上高地入りするお客様に配慮してか、新島々駅で配布されている時刻表も、日本語、英語、中国語、アラビア語のものがそれぞれ用意されていました。
ところで、バスターミナルに掲示されている路線案内図が新しいものに交換されていました。イラストは松本在住の漫画家・エッセイリストの鈴木ともこさんです。

2018/05/21 7:15

この日は上高地ビジターセンターを訪ねました。中部山岳国立公園を所管する環境省の施設であり入館は無料。シーズン中の朝8時から夕方5時まで空いています。場所は河童橋と小梨平のあいだ。周囲の風景と調和したシックな雰囲気の建物です。
この施設では"上高地の自然への理解と自然に親しむために必要な情報"(公式サイトより)を得ることができます。写真は展示室の様子。山の写真家田淵行男先生の作品などをみることができました。このほかにも映像をみたり、園内の植物や動物について調べることのできるコーナーもあります。
こちらに立ち寄った際に手に入れて欲しいのが『国立公園ガイドブック 上高地・中部山岳国立公園』です。公園を管理する一般財団法人自然公園財団が発行しているもので、一般書店では流通していません。こちらには上高地のコースガイド、エリアガイド、動植物の紹介から、アクセス方法、歴史まで掲載されています。ただ漫然と歩いても良い上高地ですが、それをより深く知り、楽しめる一冊です。頒布価格500円。

《梓川左岸道の一部崩落と明神地区トイレ使用停止について》


河童橋から小梨平を経て明神地区へ至る梓川左岸道ですが、4月下旬より明神地区寄りの一部が崩落し、迂回路を経由する形となっています。

この影響により、明神地区(左岸)へは現在、車両の乗り入れができません。またバキュームカーも入ることができず公衆トイレの使用が停止となっています。

明神地区内には穂高神社奥宮境内に御不浄がありますが、規模も小さいため混雑が予想されます。お出掛けの際はお気をつけください。

2018/05/19 20:51

この日は早起きをして穂高神社奥宮の明神池に足を運びました。穂高神社奥宮は安曇族の祖神であり、陸・海の交通と日本アルプスの総鎮守である穂高見命(ほたかみのみこと)を祀る神社です。写真は明神池の一ノ池の様子です。二艘の船は10月8日の神事の際に使われます。
明神池は朝靄が出ることで知られていますが、見られるかどうかは運次第。(前日に雨が降るなどして比較的湿度の高い晴れた朝に出ることが多いようです。)果たしてこの日は運良く靄に遭遇することができました。
こちらはニノ池の様子。背後の岩山は明神岳です。もともとこの明神池は明神岳の崩落により川がせき止められてできたものと考えられています。その時のものなのでしょうか、池の中には自然石が点々としその上に木々が枝を伸ばす不思議な光景が広がっています。
『上高地物語』(横山篤実 著)などを読むと、穂高神社奥宮がいつからここにあるのかは定かではないようです。想像するに、はじめてここに足を踏み入れた古代の人々は、この光景に神的なものを見出し、自分たちの神様を祀る場として相応しい場所と考えたのでしょう。近代以前の資料に、神河内、神合地、神降地の表記が見られるのもそれ故のことと考えられます。(ちなみに明神池の拝観の栞には「神降地」と表記されていました。)

続きを読む...

2018/05/02 17:56

上高地バスターミナルや河童橋のある場所から1時間ほど歩いたところが明神地区です。河童橋を起点とし徳沢園まで歩くウォーキングコースとしてはほぼ中間地点、梓川の右岸・左岸が明神橋で結ばれていることからも、休憩地点となっています。写真は明神館前からみた様子です。徳沢を越えて横尾、そしてそれぞれの山を目指す登山者の姿も見られます。
明神橋に向かって歩きます。穂高神社奥宮の参道にも当たる道の両脇で枝を伸ばすのはハルニレの木。ハルニレ=エルムと聞いて筆者は北海道をイメージするのですが、決して少なくない倒木に、同地並みに厳しい上高地の冬を思います。
そんなハルニレの足元、地面には緑が広がり、白い花がぽつぽつと咲いていました。ニリンソウです。上高地の春を告げる代表的な花としてよく紹介されるものです。このニリンソウに隠れて、有毒のハシリドコロの姿もありました。
ハルニレの林を抜けると梓川の岸に出ます。ここに架かる明神橋の向こうにドンと聳えるのが明神岳。5峰あるこの山ですが、ここから見えるのは最南峰と二二六三峰です。現在の上高地公園線と国道158号線が整備されるまで、上高地入りのメインルートは徳本峠(とくごうとうげ)を越えでした。上高地に入ってはじめて対面するこの荒々しい岩山に、昔の人は圧倒されたことでしょう。
そんな上高地へはアルピコ交通上高地線の電車とバスで1時間30分余り。松本から上高地バスターミナルまでは片道2450円、往復4550円です(往復きっぷは7日間有効です。)
詳しい情報はアルピコ交通公式サイトをご覧ください。

2018/04/27 21:05

河童橋から明神地区へと向かいました。明神地区は梓川に沿って3kmほど上流にあります。右岸道、左岸道の二つのルートがありますが、今回は長い方の右岸道を歩いてみました。まずは河童橋を渡り、ホテル白樺荘さんの横手側からみた山々の様子。真っ白な穂高連邦の右手がこれから向かう明神地区のシンボル明神岳です。最も高い主峰の標高は海抜2931m。

林の中を10分ほど進むと木道がはじまり、ほどなくして岳沢湿原に出ます。ゆるやかに広がる水の流れの中に枯れた立木。向こうに見えるのは六百山...だと思います。断定できないのは、観光地によくある案内・解説板がないためです。国立公園内ということもあって規制があるのでしょう。上高地を楽しむポイントとして留意したい事柄です。


岳沢湿原に別れを告げると道は再び林の中へ。熊笹が両脇に生い茂る中を進みます。山側からは何本もの沢が流れ込んでおり、透明度は極めて高く、水量も豊かな雪解け水が勢い良く流れる様を何度も見かけました。

なお、この右岸道の山側には自動車も通行可能な治山林道があります。クルマが通れるということでこちらが歩きやすいと入り込む人もいるそうですが、公式の案内では歩行者の通行が禁じられています。それもその筈、この日は大型のダンプカーを何度かみかけました。
右岸道の終点に近づくと再び木道がはじまります。足元には梓川の支流。ところで、上高地の林内には幹の途中で折れたり、根元から倒れたりしている樹木をみかけることがあります。これは冬季の強風によるものとのこと。いま筆者がみている美しい景色も厳しい自然の賜物といえるでしょう。

【おまけ】

上高地線電車では鋳物製のブレーキシューを使用しており、冬季はそこからでた鉄粉で車体が茶色く汚れてしまいます。(参考写真)本格的な山のシーズンまでには掃除が行われます。綺麗になった上高地線電車(とバス)で是非上高地へお出かけください。

上高地地区への電車・バス時刻表はこちらをご参照ください。



2018/04/22 11:36

この日は上高地探勝に於ける定番中の定番、河童橋を訪れました。梓川に架かる幅3.1m.全長36.6m.の吊り橋で、現在のものは平成9年に架け替えられたもの。吊り橋になってからは5代目になるそうです。芥川龍之介の小説『河童』に登場すると各種案内には紹介されていますが、文学碑が見当たらないのは、その中身が痛烈な社会風刺であるためでしょうか。
上高地を紹介する記事では、下流側から穂高連峰をバックに撮影したものが多くみられます。しかし筆者は上流側から見た焼岳を望む景色が気に入りました。大正4年の噴火の際に、噴石が梓川をせき止め、大正池をつくったこの山。今もなお活火山としての活動が続いており、南峰には立ち入ることができません。
それにしても、聞こえるのは外国の言葉ばかりです。事前に人に聞いたり電車のお客様の傾向を見ていたりで分かっていたつもりですが、圧倒されてしまいました。橋のたもとに写真屋さんが立っていたのですが、その呼び込みも最初に中国語、あとから日本語といった具合でした。
この河童橋から5分ほどのところにあるのが上高地バスターミナルです。アルピコ交通の路線バスやさわやか信州号が発着しています。筆者が訪れた際は、ちょうど新島々ゆきが停まっていました。上高地へのバス乗り入れは、昭和8年、前身である松本自動車が上高地大正池まで開通して以来ですからもう85年の歴史となります。
松本方面、新島々ゆきと乗鞍高原ゆきのバスを利用する際に気を付けたいのが「整理券」制度。これは乗車券と共に必要で、利用する便のものを事前に発行する必要があります。整理券は写真の乗車券売り場にて発行しています。

この整理券、利用者の立場からすると「いったい何のために?」と以前から疑問に感じていたのですが、バスを利用されるお客様の数を把握するために実施しているそうです。なおこの整理券、沢渡、中ノ湯へのシャトルバスでは必要ありません。はじめて訪れる方は少々戸惑うかもしれません。

2018/04/17 20:14

4月17日は県道上高地公園線の開通日です。上高地は標高五千尺余り、今では年間120万人余りが訪れる山の景勝地です。上高地線の前身、筑摩電氣鐵道が発行したパンフレットには"美しき河原、清冽の流れ、柳の緑陰。目前、直後に聳立する山は太古の儘に斧鉞も知らず、仰げば雲煙の徂徠あり"と紹介されています。写真は本日の大正池付近の様子。先の文句が誇張でないことは明らかです。
そんな上高地へは、新島々よりアルピコ交通の路線バスで一時間余りです。運行初日となる17日も朝から山を目指すお客様の姿がみられました。ただ平日ということもあって、日本人は少なく、多くは海外からのお客様でした。上高地の観光開発を目指して筑摩鐵道(→筑摩電氣鐵道)が創立されてから今年で98年。古来からの美しい風景はもとより、近現代の開発の歴史や文化的側面からみたこの地について、今年は探ってゆきたいと思います。