第1004回:さようなら カエル君!5000形電車の旅立ち⑶ | Home | 第1006回:"コロナ禍"のもとで ⑴
2020/04/01 19:41 | 印刷

アルピコグループ100周年(特設サイト)の年である2020年。グループのルーツであり、アルピコ交通の前身に当たる筑摩鐵道は、1920年(大正9年)3月25日に創立されました。筑摩鐵道は河西部(奈良井川以西)の地域の近代化と、当時はまだ訪れる人の少なかった日本アルプス・上高地の開発を目的に設立されたもので、会社創立の翌年1921年には松本=新村間で、1922年には当時の終点である島々までの15.7kmが全通しています。
筑摩鐵道の発起人であり、初代社長を務めた上条信(かみじょうしん または まこと)は、新村の出身です。県、国の代議士としての活動のみならず、実業家として配電事業(東筑電気)、乗合自動車事業(筑摩自動車)などを手掛けました。中でも鉄道敷設については、筑摩鐵道創立以前の1915年に安筑軽便鉄道(松本−稲核)、1918年に安曇鐵道(松本−稲核)をそれぞれ出願しておりいずれも却下されています。3度目の正直ともいえる筑摩鐵道の創立は、まさに氏の悲願が叶った出来事といえるでしょう。(写真は新村駅東にある顕彰碑です。)
2020年3月25日の午後、筑摩鐵道の創立総会が行われた専称寺(新村)を訪ねました。上高地は今や誰もが知る国内有数の山岳景勝地となり、年間120万人余りが訪れる場所となりました。またその麓にある松本は”岳都”として広く紹介され、自然と調和した住みよいまちとして、ここ数年だけでもより多くの注目を集めています。その一端を開いたのが、100年前の人々の願いであり、その象徴ともいえる上高地線電車が、100年後(厳密にいえば99年後ですが)の今日も走り続けていることは、地域にとっての大きな財産といえるでしょう。