第918回:上高地線沿線さんぽ2018夏(13) | Home | 第920回:上高地線沿線さんぽ2018夏(14)
2018/08/10 11:40 | 印刷

上高地を訪れる人の多くはバスでそのまま大正池や終点の上高地バスターミナルへ向かうことでしょう。しかしそこは弊通信の筆者。公園内に入って最初のバス停「太兵衛平」でバスを降り歩き始めます。太兵衛とは同名の戦国武将ではなく、ここで亡くなった杣人を偲んでつけられた名前なんだとか。大正池方面に向けて歩きはじめてまもなく、穂高の峰々が目に飛び込んできました。ちょうどやってきたバスと共に一枚。
梓川の淵に出ると大正池の出口に設置されたラバーダムが見えてきました。正式にはゴム引布製起伏堰といい、袋状の筒に空気や水を出し入れすることによって水の堰き止め・放流を行っています。この堰の向こうがかの有名な大正池。上高地を代表するスポットのひとつです。
大正池の畔を歩いてゆくと、焼岳がその山容を現します。大正4年、この焼岳が噴火したことによって大正池が生まれたことは広く知られています。写真の手前の施設は東京電力の霞沢発電所取水口。ここから同発電所まで長さ800m、落差400m余りの導水管が引かれています。同発電所の運転開始は昭和3年ですが、当時のパンフレットには"日本一高落差"と紹介されています。
そんな発電用の貯水池としての側面ももつ大正池ですが、焼岳から流出する土砂などによりその大きさは縮小しつつあるそうです。この池を発電に使う東京電力では、毎年11月に浚渫船を出して作業をしています。この美しい風景も、自然そのままでは決してなく、人の手が入ることで保たれているのです。