2018/07/06 23:00

さる7月5日、鉄道博物館(埼玉県さいたま市)がリニューアルオープンしました。たまたま近くに行く用事があったので筆者も出かけてみることに。今回のリニューアルの大きな目玉である400系とE5系新幹線(モックアップ)を見学ののち、やってきたのは「車両ステーション ROLLING STOCK STATION」明治に始まる各時代の鉄道車両が並ぶなかに「ハニフ1号」がいました。上高地線の前身、島々線で昭和20年まで活躍した車両です。
何故、島々線で走っていた車両がここにあるのでしょうか。実は、ハニフ1号は国電の始祖といわれる貴重な車両なのです。明治37年(1907年)に製造された甲武鉄道ハ9号がその最初の名であり、国有化後はデ963形デ968号として現在の中央線で走っていました。
展示ではプロジェクションマッピングの技術を用いて、ハニフ1号が甲武鉄道デ968として活躍していた頃の様子が再現されています。デ963形は、ボギー車の台頭によって第一線を退き、更にその一部客車に改造されて地方の地鉄に払い下げられました。その生き残りがこのハニフ1号だったのです。こうした経歴を知ってのことでしょうか、当時の社長であった滝沢知足氏が保存を指示し、こうして生き永らえたとの逸話も残っています。
上高地線に関わる展示品としてはもう一点。こちらは新館のHISTORY STATIONでみつけたきっぷです。「北アルプス回遊券」の表記があり、現在の大糸線の有明、そして島々の駅名がみられます。想像するに、有明から燕岳〜大天井岳・槍ヶ岳〜上高地と北アルプスを縦走し、最後は島々に下りてくる(またはその逆ルートを取る)乗客に向けて企画されたものではないでしょうか。