第888回:春まだ浅い上高地へ(4) | Home | 第890回:平成29年度の上高地線乗客数は168万人(+0.1%)でした
2018/05/08 8:55 | 印刷

新村から三溝にかけての上高地線沿線には、線路の両脇に田畑が広がっています。ここは年によってコメ、そば、大豆など作付けされる作物が変わるのですが、今年は田んぼに水が張られていました。風が出ていたので水鏡はちょっと厳しいかな...と思いつつ電車を待っていると、やってきたのはリバイバルカラー。早いもので、この色になってからもうすぐ1年。
線路の北側も今年は田んぼになるようです。屋敷林の向こう側からなぎさTRAINが姿を現しました。水鏡は潔く諦めて引きで撮影。冬の間鉄粉で茶色く汚れていた電車は5月の連休を前に綺麗に掃除されました。写真映えしますね。

ところで、現在事業が進められている中部縦貫道の整備に関連して、ここ新村地区にもインターチェンジの整備を検討...との報道が先日ありました。県道48号線に合流する地点に設ける、とあったので凡そこの写真の一帯の田畑をインターチェンジにしようというのでしょう。この整備によって”地域活性化が図られる”との一文を載せている新聞もありました。果たして本当にそうなのでしょうか。

地域活性化の基本は「その地域にあるものを活用すること」と言われています。インターチェンジができ、周辺にロードサイド施設が立ち並ぶことは地域活性化ではないのです。(ロードサイド店は採算が取れなければ撤退してしまいますからね。)これが山奥の温泉場でアクセスに不便であり、新しい道路の開通によって来訪客の増加が見込める...といった話ならまだわかります。しかし、沿線を歩いて出会う人は口々に「ここには何もないからねぇ」と言うのです。そういった体験を何度もしている身には、道路、インターチェンジの整備と、地域活性化の五文字がどうも結びつかないのです。
この件に関して、松本市民でもない筆者があれこれ口を挟むべきではないでしょう。しかしこれだけは言っておきたいことがありあます。ここには「なにもない」のではなく「目の前にあるものしかない」ということです。それをわざわざ潰してインターチェンジを作ることは、その全てを自ら手放すということなのです。その結果、ここが本当に「なにもない」地域になってしまい地域の力が低下する。そして写真のように...それを筆者は危惧しています。