久々に聴きたくなった声。
今更ですが最近、伊坂幸太郎氏の著書を読み漁っております。
伊坂氏の作品に関する感想については、また機会があれば書きたいと思っていますが、今日は、伊坂氏の「アヒルと鴨のコインロッカー」に登場した男の声について書きたいと思います。
当該作品を読んだ方、またこの作品は映画化されているようですから、それを見た方なら分かると思いますが、その男とは、”ボブ・ディラン”です。
作品の中では、”風に吹かれて”という曲が登場します。
”How many roads must a man walk down
before you call him a man ? ”
( 人はどれだけ歩けば
一人前になれるのだろう?)
で始まるボブ・ディランの名曲です。
私がボブ・ディランの歌声を聴いたのは、もう20年以上も前のことです。 歌詞の内容はほとんど何も分かりませんでしたが、とにかく印象的な歌声だと感じました。
ボブ・ディランがデビューした当時、その歌声を聴いた人たちは、「ジョン・レノン?」と思ったそうです。確かに似てないことも無いけど、私はジョンの歌声は非常に真っ直ぐに自分の感情を表現しているのに対して、ボブ・ディランは、どことなくふて腐れているように聴こえました。要するに「チッ!」って舌打ちしながら唄ってる感じがしたんですね。
ジョンは、「皆~、俺の話を聞いてくれ~」って感じで、ボブ・ディランは、「どうせ、俺の話なんて誰も聞いてねえよなあ。」って感じ。
先の伊坂氏の作品の中でその登場人物は、ボブ・ディランの声について、「人を慰めるような、告発するような、不思議な声。あれが神様の声だ。」と語っています。
残念ながら、私はボブ・ディランの声に慰められたこともないですし、神の声だと感じたこともありません。どことなく、陰があり、世の中を斜めから見ているような声に感じます。
慰められたことはないけど、妙に共感の持てる声。
自分の心の奥に潜む感情を搾り出すような声。ある種、呻き声のような響きを感じてしまいます。
それが、後々になって歌詞を読むと尚更そう感じてしまうのです。(特に、”ライク・ア・ローリングストーン”とかね)
彼の独特な歌詞の世界とあの歌声が絶妙にマッチしていることだけは間違いないですね。そして、聴けば聴くほど癖になる声であることも間違いないと思います。
そう言えば、”風に吹かれて”は、
”The answer ,my friend, is blowin' in the wind.
The answer is blowin' in the wind. ”
(答えは友よ、風の中にある
答えは風の中にある)
と結ばれています。
これを聴くと、なんとなくほっとするんですよねえ。
って、「癒されてる?」

BOB DYLAN / THE FREEWHEELIN'
60年代初頭に発表された2ndアルバム。
収録されている”戦争の親玉”、”第3次世界
大戦を語るブルース”、”ボブ・ディランの
ブルース”などの印象からか、「プロテスト・
シンガー」なんて呼ばれていたようですが、
もしかすると、彼の歌声自体がそう思わせる
のかもしれないですね。
コメント追加
