久々にめんどくさいこと考えてみます。
この2、3日ちょこっとだけ巷を騒がしている鳩山法務大臣の発言。
「志布志事件は冤罪と呼ぶべきではない。」
”志布志事件”とは、鹿児島県県議会議員選挙において、候補者であるN氏の関係者が、志布志地区の方々十数人に対して、酒を振舞ったり、現金を手渡したとして公職選挙法違反で逮捕されたが、警察による自白の強要や長期間にわたる勾留など違法な捜査があったことや検察から提出された証拠が立証不十分として、起訴された方々全員が無罪となった事件です。
捜査段階における「踏み字」問題などがクローズアップされましたね。
詳細を知りたい方はこちらを→「Wikipedia ”志布志事件”」
さて、鳩山大臣の発言の真意は何処にあったのでしょう?
まあ、正直彼の過去の発言、「死刑執行エレベーター制度」発言や、「私の友人の友人はアルカイダ」発言から想像すると、”単なる軽率な発言”かもしれませんが、一応彼の説明(正確には”弁明”)をもとに考えてみましょう。
彼は、「冤罪という言葉は、全く別の人を逮捕し、服役後に真犯人が現れるなど百パーセントぬれぎぬの場合を言い、それ以外の無罪事件にまで冤罪を適用すると、およそ無罪というのは全部冤罪になってしまうのではないか」と言っています。
ちなみに広辞苑によると、「冤罪=無実の罪」となっています。
さあ、ここで人間の感情や人道的といったものを一切排除して考えてみましょう。
警察に逮捕された時点において、逮捕された人は被疑者(犯罪を犯したのではないかと疑われている人)ですね。この時点で逮捕者は、厳密に言えば「犯罪者」ではないですよね。(現行犯の場合はちょっと違ってきますが)
次に、検察がその警察が逮捕した人(被疑者)について公訴を提起した時点。
この時は被疑者から被告人に変わりますね。
しかし、この時点でも裁判の結果が「有罪」と出るまでは、「犯罪者」ではないですよね。
ということは、裁判の結果が出るまでは、「冤罪」が成立する余地が無いと考えられなくもないですよねえ。
だから、鳩山大臣の発言は、こういうことになりますよね。
「志布志事件の場合、起訴された方々は裁判で無罪となった。したがって、一度も犯罪者になっていないのだから、そもそも”冤罪”が成立していない。」
しかし、一般的な感情はどうでしょう?
「逮捕された」「起訴された」と聞けば、普通は、「犯罪を犯した」と考えませんか?
つまり、社会的には「犯罪者」として扱われることになりませんか?
そして、「冤罪」に対する一般的な解釈は、「無実の罪に問われる」とか、「ぬれぎぬを着せられる」じゃないですか?
「無実の罪で逮捕されたり、起訴された時点で冤罪が成立する」と考えるのが正しいと思うのですが・・・。
鳩山大臣の発言にはもう一点注目すべき部分がありますね。彼の真意がどこにあるのかは別として、「100%ぬれぎぬの場合を冤罪という」という部分は考えさせられることがありますね。
つまり、裁判において証拠不十分として無罪となった事件を冤罪と呼んでいいのか?ということですね。
もしかしたら真犯人かもしれないのに、真犯人とするだけの証拠が無いから無罪ってのは冤罪じゃないだろってことですよねえ。
日本の刑事裁判は、「疑わしきは罰せず」。つまり、推定無罪の原則がありますからねえ。その推定無罪の事件まで冤罪とするのはいかがなものか?ってことを言いたかったんでしょうね。
この問題は解決しようがないですよね。
だって、逆説的に言えば、実際に無実の場合だったら、それを有罪であると裏付けるだけの証拠が出てくるわけがないですからねえ。やってないんだから証拠があるはずが無い。
ただ、鳩山大臣が志布志事件について”証拠不十分で無罪になっただけじゃないか”と考えた上での今回の発言だとしたら、それは法務大臣としてかなり問題発言ですけどね。
私もここまでグダグダと長~い文章書きましたが、結局「冤罪の定義」が問題なのではなく、「冤罪事件を生み出さない」ことが最も大切なことなんですよね。
そして、来るべき裁判員制度について、もう一度しっかりと勉強する必要がありそうですよね。
「人が人を裁く」ことの重大さをもう一度考えることが必要でしょうね。
それから、”志布志事件”に関連してもう一点。
もうすぐ松本市長選挙が行われますね。選挙といえば、公職選挙法ですが、候補者及びその支援者等は当然のことですが、我々一般の選挙民も守らなければならないルールがありますね。知らないうちに公選法を犯していたなんてことにならないように、今のうちにしっかり勉強しておきたいものですね。
公職選挙法についてはこちらを→公職選挙法
「冤罪」を知る手掛かり↓

タイトル:それでもボクはやっていない
監督:周防正行
出演:加瀬亮、瀬戸朝香
出版社/メーカー:東宝
メディア:DVD

タイトル:冤罪File
メーカー/出版社:キューブリック
メディア:雑誌
コメント追加
ほんとうに「疑わしきは罰せず」が守られているのか
考えさせられる映画でしたね。
うちのネタで使おうとおもってたけど、
happaさんに先をこされました(笑)
「アルカイダではないけれど」
鳩山大臣の余計なひと言にも公職選挙法にも
ついうっかりには気をつけたいものです…(^_^;)