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2007/08/10 13:04 | 印刷

グレーゾーン金利に関する大阪高裁の判決は、結構興味深いものですねえ。

グレーゾーン金利による請求は、違法な架空請求に類似する


消費者金融会社に対し、グレーゾーン金利分の返還を求めた訴訟の控訴審で、大阪地裁が出した判決です。

この判決で、大阪地裁は消費者金融会社に対し、過払い金(グレーゾーン金利分)のほか、慰謝料や弁護士費用の支払を命じました。

判決理由は次の通り。

「過払い金は法律上の不当利得で、知っていた業者は”悪意の受益者”にあたる。元本が無くなるまでは一部、元本が無くなった後は全部が存在しない債務である。被告(業者側)が主張する貸金業規正法で例外的に認められている”みなし弁済”については、訴訟になれば無効となる可能性が極めて高いことを認識しながらあえて請求したものである。」

では、ここからは法律に関する豆知識。

「不当利得」って何?

不当利得については民法にその規定があります。
法律上の原因なしに他人の財産又は労務により利益を受け、その他人に損害を及ぼすこと


これが不当利得。
この利益を受けた者を、”受益者”と呼びます。
そして、この受益者はその利益の返還義務を負うことになるわけです。

「悪意の受益者」って何?
法律用語としての「悪意」とは、「知っている」ということです。だから当然、「知らない」場合は「善意」と呼びます。

これは、我々の通常の生活における意味とちょっと違うかもしれませんねえ。

つまり、今回の消費者金融業者は、法律上受け取ることができない金利と知っていて(悪意)受け取った金利(不当利得)を返還する義務があるということです。

また、”悪意の受益者”には、受け取った利益に法定利息を付け、場合によっては損害賠償の責任を負うものとされていますから、今回の判決において慰謝料の支払義務を業者側に課したことも納得できます。

「みなし弁済」って何?
みなし弁済が成立するための要件は次の通りです。
①業者が貸金業者としての登録を受けていること
②貸付の際に法定の記載事項が全て記載された契約書を交付していること
③弁済の際に法定の記載事項が全て記載された領収書を交付していること
④債務者が約定利率による利息を任意に支払ったこと


①から③までの要件を満たさないってことは考えられないことです。
問題は④。
これは要するに、”債務者本人が違法な利息であることを知っていて納得した上で借りて返した”かどうかということです。
これが認められれば、グレーゾーン金利の支払も有効であったことになり、過払い金返還は認められないことになります。
「みなし弁済」かどうかを証明するのは業者側ですから、債務者の心の中を業者側が証明しなければならないことになり、まず間違いなくこの④の要件を満たすことは不可能。
したがって、「みなし弁済」が成立することはまずあり得ない。

ここで少しだけ業者側の味方をしてみましょう。
(時にはこういう検証も必要でしょ)

グレーゾーン金利とは、利息制限法による利息の上限と、出資法による利息の上限の間の金利です。
利息に関するルールが2つ存在することが元凶なのです。
しかし、利息の一本化が実現するのは2009年末。(遅すぎでしょ)
したがって、それまでは業者側は、グレーゾーン金利を請求することになるでしょう。

しかし、これだけ世間を騒がしているグレーゾーン金利。
借金をする債務者側が業者の提示する金利が違法であること知っていて契約する場合も増えるはずです。
「どうせ、過払い金返還請求すれば戻ってくるんだから、ここは業者の言う通りの金利で契約しとくのが得策だ。」
という意識で債務者が契約するっていうパターン。ある意味悪質な債務者とも言えるかも。
これを、業者側が証明できれば「みなし弁済」成立です。
(まあ、この証明が難しいんですけどねえ)

業者側としては、契約時に「グレーゾーン金利って知ってますか?」と質問したり、グレーゾーン金利の詳細について説明し、「我々が請求する利息は利息制限法の枠を超えるものですが、それでもあなたは借りますか?」と質問し、それでも借りたら、「納得して借りた」と認定できるような気がするんですけどねえ。

こんなことは、多分貸金業者は既に考えていることでしょうが、多分できないですねえ。
だって、「我々は違法な利息を請求します。」なんて宣言するわけないですよねえ。

ただね、あくまでも私の勝手な自論ですが、貸金業者がこの手段を用いれば、「借りない」という結論を出す方も居るのではないかと思うのです。つまり少しは多重債務者の減少に繋がるのではないかと考えるわけです。

しかし、ここには大きな問題が。
借りる方は、もう限界ぎりぎりまできている方。
その方が「借りない」という選択をすることはかなり難しいことだということ。

私のこの長~い検証も無駄ですねかねえ?
多重債務や消費者金融の問題解決の糸口を見つけるのって難しいですねえ。




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