一昨日、作家の藤原伊織さんが亡くなりました。
享年59歳。
早過ぎです・・・。
ここ数年に現れた作家の中では大好きな存在だっただけに残念です。
私が彼を知ったのはもう10年以上前のことです。
当時働いていた店の本の売り場で偶然見つけたのがきっかけです。
タイトルを見ただけで即座に手に取り購入。
それが、これです。

タイトル:テロリストのパラソル
出版社/メーカー:講談社
メディア:単行本
この作品は江戸川乱歩賞と直木賞のダブル受賞作品です。
この小説があまりにも面白かったので、私はその後、江戸川乱歩賞受賞作品を読み漁りました。
内容としては、新宿中央公園で起きた爆弾事件に巻き込まれた元学生運動家で現在はアル中のバーテンダーである島村が個人的な理由により、爆弾犯人を追いかけるというハードボイルド・ミステリーです。
私はミステリーものというのは、徹底的に創り込んだストーリーであるもののほうが好きです。
フィクションの世界を描くのだから徹底的に創り込む。
そんな作品が好みです。
そしてこの作品に限らず、藤原氏の作品はどれも徹底的にフィクションの世界を創り込んでいると私は感じているのです。
徹底的に創り込んでいるが故に、ミステリー作品としてのオーソドックスなストーリー展開になりがちな面は否めないのですが、そがまた私にはたまらなくいいのです。
そして藤原氏の素晴らしいところは登場人物の描き方にあると思います。
これまた徹底的な人物描写。特に会話部分がたまらないのです。
その中でも主人公の男の言葉はいいですねえ。
単純に「格好いい~!」って思ってしまいますから。
藤原氏の作品に登場する男は、どこか過去を引きずり世間に背を向けているような部分があるのですが、男って何となくそういう男に憧れたりしませんか?
この作品に登場する秋山という男もそんな男です。

タイトル:ひまわりの祝祭
出版社/メーカー:講談社
メディア:単行本
内容は、妻を亡くしてから引きこもりのような生活
を続けている男に旧友から「この金を捨ててくれ!」
という依頼がくるとこからスタートし、ゴッホの幻の
名画をめぐる様々な事件に主人公の男が巻き込まれ
ていくというハードボイルド作品です。
本日のBGM

阿部 薫 / The Last Recording
29歳で睡眠薬により中毒死したアルト・サック
ス・プレイヤーの生涯最後の音です。
彼の演奏はまさにハードボイルドの世界です。
闇を切り裂く一筋の光のような時もあれば、
奈落の底へと突き落とされるような音もありま
す。
フリージャズというのは私には難しすぎですが、
彼の演奏はそんな範疇におさまらないものです。
切なさ・怒り・優しさなど人間の持つ全ての感情をサックスで表現していると思います。
↓こちらで演奏見れます。
YouTube 阿部薫 1977.9.24 福島「パスタン」
まさしく”アルト・サックスはテロリストの楽器”と感じることができる彼の魂の音色を味わってみてください。
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以前TVドラマでやってた田村正和主演の「過ぎし日のセレナーデ」にもラストの展開でイメージがダブりました。