「あの時、ああなっていたら・・・?」
「あの時、ああしていれば・・・」
発車する電車に「乗れた時」と、「乗れなかった時」。
たったそれだけのことで、その後の人生が大きく変わって行く。
タイトル:「スライディング・ドア」
監督:ピーター・ホーウィット
主演:グウィネス・パルトロウ
電車に「乗れた時」と「乗れなかった時」の
彼女の2つの人生を同時進行で綴る構成。
2つの人生が全く別ではなく、時折重なり
あうところが絶妙。
私はこの映画を初めて見た時(随分前のような気がするけど)、
自分が経験したある事件を思い出した。
1995年3月20日地下鉄サリン事件である。
私は当時、霞ヶ関にある会社でアルバイトをしていたのだが、
当日は、いつもよりも遅い時間(前日に飲み過ぎた)に家をでた。
「いつもより遅くなったけど、間に合うからいいか。」
その程度の気持ちだったと思う。
中央線(当時、私は高円寺に住んでいた)で四ツ谷へ行き、
丸の内線に乗り換える。いつもと同じ光景だ。
違うのは、いつもより少しだけ遅い時間だということだけだ。
電車に乗り込むと、
「霞ヶ関駅において事故が発生したため、霞ヶ関駅には停車いたしません。霞ヶ関駅で下車予定のお客様は、次の赤坂見附で銀座線にお乗換えのうえ、虎ノ門駅にて下車していただくようお願いいたします。」の、アナウンス。
「おいおい、虎ノ門と霞ヶ関は確かに近いけど、だたでさえ遅れてるのに、乗り換え時間もかかるじゃねえか!この野郎。」
何が起きているのか、分からないまま怒る私。
電車の中もざわつく。「マジかよう。」の声や、舌打ちが聞こえてくる。
虎ノ門駅到着。
地上へと上る階段が大混雑。いくつかの出口が使用不可能になっているらしかった。「早く歩けよ、こんちくしょう。」
ここでも、何が起きているのか分かっていない私。
地上へと出る。
そこに待っていたものは、けたたましいパトカーや救急車のサイレンの音。そして、何を言っているのか分からないような怒鳴り声。
「何?」「火事?」
反対方向から歩いてきた人に聞いてみる。
「火事ですか?」
「いや、地下鉄で有毒ガスみたいなものが発生したらしいよ。」
その後のことは、皆さんもご存知の通りです。
私は当日、たまたま遅れた。前日にたまたま友人と飲んだためだ。
私がもっと真面目な人間であったら、前日に飲み過ぎたとしても、
いつもと同じ時間に家を出て、いつもと同じ電車に乗っていただろう。
私とは逆に、当日たまたまいつもより早く出かけた人や、いつもはもっと早くでるけど、当日は少しだけ遅く出かけた人もいただろう。
長い人生において起きたたった一日の「たまたま」かもしれないのに・・・。
私は命を拾ったのかもしれない。
本日のBGM:
NO DOUBT
/TRAGIC KINGDOM 
本文が重い雰囲気なので、音楽は明るく。
スカ・パンク・バンドのデビューアルバム。
メリハリのある演奏で、とにかく楽しい。
唯一のイメージが違う曲「DON'T SPEAK」が
大ヒットしたが、この曲も確かにいい。
「一発屋」の声が挙がるが、私は好きだ。
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