風を感じて「気持ちいい」と言ったあなた
原っぱに横になり「この痛みが嬉しい」と言ったあなた
みんなで作った草もちに感激したあなた
生まれて初めてのハンモックに笑顔いっぱいだったあなた
障がいにも負けず、前向きに明るく生きたあなたと一緒の時間を過ごすことは
もうできないけれど
私たちはあなたを忘れません
あなたに会える金曜日が楽しみでした
でも一つだけ愚痴を言わせてください
「きっと心配するから」と病状を私たちに伝えないことを望んだあなたのやさしさを
私たちはちょっとだけ恨みます
知っていれば、会いに行ったのに
楽しい思い出をもう少し残せたのに
まだ”さようなら”は言いたくないから
あなたの場所はしばらく空けておくね
手前味噌になりますが、私の勤務するデイサービスは最近世間の評判が良いようです
また、利用者さんやご家族からも感謝の言葉を伝えられることが多く、反って感謝の気持ちでいっぱいです
以前にもお話しましたが、利用者さんの笑顔や「ありがとう」の言葉が私たちの元気の源ですから、本当に嬉しい限りです
しかし、評価の中身を冷静に考えてみると素直に喜べない現実もあります
朝、笑顔で迎えに来てくれる
散歩に連れ出してくれる
次に来る日を覚えていてくれる
利用希望を断らない
私たちのデイが評価されている理由なんてこんなものです
逆に言うとこんな当たり前のことができていない施設が多いということです
しかし、私は他の施設が手を抜いているとは思いません
本日付の読売新聞にも掲載されていましたが、介護現場の人手不足は本当に深刻です
多くの介護員がキャパシティいっぱいいっぱいの仕事を抱え、大きな理想を抱きながらその理想とはかけ離れた現実の中で介護にあたっているのです
給与の低さも介護職離れの大きな要因ですが、それよりも「理想との乖離」が一番つらいのです
私たちのデイは幸い、理想を追えるキャパシティの中でこれまでサービス提供を行ってきました
今、その枠を踏み出すギリギリのところまできました
先日もお話したように、福祉施設は商売として営業しているわけですから、ボランティアではありません
福祉業界で働いているからといって、ボランティア精神が旺盛かと言えば、大半の人間はNOです
この辺は世間のイメージとのギャップがあるところだと思います
虫のいい話ですが、福祉施設(特にデイ)はボランティアさんに支えられている部分が多分にあります
私のデイでも5月に募集をかけたところ、多くの方が登録してくださり、日々お手伝いに来てくださります
年配の主婦の方、結婚による転居でこちらにきた若奥様、病気療養中で社会復帰のリハの一環としている青年
年齢も、背景も様々です
私のデイでボランティアさんにお手伝いいただいているのは
①散歩時に車椅子をおす
②お話し相手、レクで一緒に遊ぶ
③自分の特技を披露
③はギター、ピアノなどの楽器、歌を披露してくださる方や、花壇を整備してくださる方など様々です
デイの利用者さんは外部の方と接する機会が少ないので、どんな特技でもとても喜んでくださります
勝手なイメージでボランティアをする方というのは、どこか恩着せがましい部分を持っているのかと思っていました
本当に申し訳なかったです
みなさんを見ていると、とても自然体で、恩を着せるどころか利用者さんから何かを学ぼうとしている様で、私なんぞよりよっぽど福祉職員に向いていると思います
多くの方との出会いは人生の質を高めると考えます
その意味で、自分の空いた時間にボランティアという形で未知の方とふれあっている方々は豊かな人生を送っているのだと思います
一部の例外を除き福祉施設というところは商売として営業しているわけです
多くは”社会福祉法人”という公益法人として活動していますが、税法の優遇を受けてはいますが一般企業とそう違いはありません
つまり、儲けなければつぶれてしまうのです
しかし、やはり他の業種とは大きく異なるところもあります
私が勤務しているデイサービスという場所に限っていえば、”自分達のキャパシティ以上の仕事(利用者)を抱えた場合、利用者を死なせてしまう場合がある”ということです
私の働いているデイには幸いなことに日々新規利用の申し込みがあります
本来ならば両手を挙げて大歓迎としたいところなのですが、上記の理由から慎重に検討させていただき、場合によってはお断りする場合もあります
さて、”日帰り温泉に行き、ご飯を食べて帰ってくる”という過ごし方をしたことがある方も多いと思います
デイというところは”お風呂に入る””ご飯を食べる”ということが主たる利用目的であり、「デイ=高齢者・障害者のスーパー銭湯(介助付き)」と言っても過言ではないと思います
つまり、デイはサービス業でもあると思います
日々の業務の中で「?」が点るのは、サービス業という自覚が無く、「介助してあげている」という意識で介助していると思われるスタッフが意外に多いことであり、それでも商売が成り立ってしまうことです
サービス業とは本来そんなことではダメなものです
横柄な態度の温泉施設には2度と行きたく無いですよね?
とかく利用者さんのご家族は「預かってもらう(訪問してもらう)だけでありがたい」となりがちで、サービスを深く検討することは無いように感じます
やはり利用者さんが気持ちよく過ごしてこそ、生きたお金を使うことですし、サービスという観点もしっかり確認した上で、ご利用いただきたいと思います
その厳しい目が福祉という商売を育てていくのだと。
俗に3K(キツイ・汚い・給料安い)といわれる福祉業界ですが
実際のところ、その通りです
どうやってみても残業が発生する上に、力仕事が多いし
他人の便の処理もあるし
先日、給与明細見て愕然としました
そんな業界で働く者が何をモチベーションにしているのかと問われれば、月並みですが「利用者さんの笑顔」と答えます
利用者さんの笑顔を見ようと思うと、余計に仕事が増えて自分の首を絞める結果にもなるのですが、「笑顔のための苦労は買ってでもする」のがウチのデイ職員の良いところだと思います
利用者のAさんは、幼児期の脳性マヒにより脳に重度の障がいをおっています
話しかけたり、レクリエーションをしてもほとんど反応はありません
日々工夫はしているのですが、今のところコレという反応を引き出せずにいます
先日、レクの際少しだけ笑顔を見ることができ、とても盛り上がりました
その日、Aさんをご自宅にお送りした際お母さんがお出迎えに出てこられたのですが
お母さんの顔を見た瞬間の満面の笑み
やはり最高の笑顔を引き出せるのはご家族だけですね