外壁通気工法では、外壁が受けた輻射熱が通気層内の空気を温め上に昇って、軒天の有孔板と屋根裏~棟換気へ抜けていくとされています。入れ替わりに下端から新鮮な外気が流入し、建物内部に熱を伝えにくくなるとされています。
夏季には、北面以外の壁では、この理論が有効だろうと思います。では、冬はどうでしょう?
写真は北側の壁面ですが、冬季の日中は東面・北面で、晩秋・冬・春先の夜間は全周で、室内側からの熱が通気層内の空気に伝わり上昇し、下端から冷気を招き入れることになります。したがって通気層の内側に施工された断熱層の実力の差がものを言うことになります。
一番寒そうな北部屋の室内壁面、断熱材最内層、同最外層、通気層、外気の温度を同時に測定すれば、この工法の冬におけるデメリットの現れ方=省エネ性能の一部を評価できます。
思いつきですが、熱損失を防ぐために、冬だけ透水性の不織布で、下端を塞げばどうかな? どれだけ省エネになるか、上記の温度測定で調べることができますね。
今回は透湿壁を採用していますので、この通気層へある程度の水蒸気が排出されますが、下端を塞いだ場合の水蒸気の挙動がどうなるでしょうか? 興味深いです。
この住宅の最外層(通気層の外側)はラスモルタル・珪藻土コテ塗りを使用することになっており、厚さが仮に8mmとしてモルタルの透湿抵抗は約10m2mmHg/gになるから、アセダスDの7~8倍となり、大量の水蒸気が透湿壁を通り抜けて通気層に出た場合、たぶんここで多少の結露が発生すると思います。この場所で大量に結露・凍結するとクラックの原因になる可能性がありますが、冬の松本の外気は超乾燥状態なので、一日中結露しているのでなければ通気層内もすぐに乾きそうです。
なお、通気層の役割として、建築中の降雨からの湿気を外へ逃がすこと、通気層への雨の侵入があれば防水シート表面を伝って排出することも担っています。
ご教示ありがとうございました。WEB上で、以下の論文名を見出しました。
「寒冷地における壁体内部結露に関する実験的研究 その2. 通気層構法による実験壁測定」 日本建築学会北海道支部研究報告集No.56 1983/03
また、ご教示に従い、冬季に通気層を透水性の不織布で塞ぐ実験はよく準備をして行いたいと思います。
通気層内の空気移動は、冬季と夏季でどの程度違うのか、季節風の吹き込みを防ぐ程度の不織布を設置すると通気層内の空気の移動がどの程度減るのか、興味のあるところです。通気層内の垂直方向の温度の違いを測定することで、空気移動をある程度の知ることができそうな気がします。
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通気層工法はもともと 寒地の住宅の冬場の壁体内結露対策を目的としています。発想は
室内側に気密シート(ベーパーバリア)を施工しない場合 冬場での室内と屋外の気温差 湿度の差により 結露が発生。これが 外壁の破壊や 壁体内になみだだけ(きのこ)の発生等を引き起こす これを防止するために 室蘭工業大学鎌田教授を中心にして考案された工法です。
この工法及び 透湿シートの登場で北海道における凍害は皆無となりました。
通気層内の冷却は シートをD社の3m幅を使用することにより継ぎ目なしの防風層を確保することにより 断熱材の冷却を最低限にしています。実害は発生しません。結論 通気層をふさぐと結露します。(実験済み)
夏場は 外壁からの湿気よりも 外気のもつ湿気と室内の冷房環境での温度差により 壁体内でぞくにいう”夏型逆転結露”が発生します。
しかしながら 大きな時間の流れでは結露水は
蒸発し 透湿シートを抜けて 通気層から排出されるので 冬場のように結露水=実害はありません。
これらの論文は 1980年代後半に 室蘭工業大学から また 夏型逆転結露に関しては1990年代に福岡大学から論文が出ています。